2019年11月10日

【レポート】10月26日 川崎市・ボルチモア市姉妹都市締結40周年記念ジャズライブ(前編)

 10月26日【ユキ・アリマサ・カルテット JAZZライブ国際交流センター】に母と行く。なぜ、ボーイスカウトとジャズ?と単純な疑問を抱きつつ、元住吉駅の改札を出る。エスカレーターを降りるとブレーメン商店街が賑やかに迎えてくれる。母が言う、タイムスリップした気分になるのよね。どこも活気にあふれ目移りする店々を抜け、寄り道は後回しに会場へ。ジャズファンのご年配の方々で早々に席は埋まっている。私と同じ高校生がほとんど居ないのは意外だった。

 今回は、ボルチモア市との姉妹都市締結40周年記念事業で、ボーイスカウト川崎地区のトークショー第一部とジャズライブの第二部で構成されていた。

 『ボルチモア・トークショー』の冒頭は相互交流の説明から。メリーランド州最大の都市であり、アメリカの星条旗発祥の地であるボルチモア、古くから天然の良港として栄え、世界屈指の医学の殿堂ジョンズ・ホプキンズ大の中にはピーボディ音楽院があってジャズで有名なこと、相互交流は28回目で一年おきに行き来しており、1985年の第一回には20名の学生さんが参加したことなどスライドを使って語られた。

 そんな一行は7月20日に日本を出発、2週間強の派遣交流を終えた高校生の坂本美優さんと大竹和真さんが、日本ボーイスカウト川崎地区の派遣メンバー代表として現地での様子を楽しく語ってくれた。

 まず驚いたことは、日本ではあり得ない大規模なキャンプ場(幸区と同程度の広さ)。その広さを生かした野外活動は日本と違いアクティビティがキャンプの中心、衣食住は提供され賄い付きなのだ。食事の準備などに煩わされることなく野外での非日常体験を重ね、1週間の共同キャンプを過ごしながら交流を深めていく。さよならパーティでは日本側から和食が振舞われ、特に出し巻き卵が好評で、と坂本さんが嬉しそうに。ソーラン節も披露してパーティはおおいに盛り上がったそうだ。

 後半はホストファミリー宅へ。ボルチモアに到着してすぐホストとのマッチングがあるため、キャンプをともに過ごし現地の学生と仲良くなったあと安心してホストの家で過ごせるのはいいアイディアだ。現地観光はホストファミリーが考え、他にもニューヨークツアーやワシントンツアー、ボルチモア市長の表敬訪問や親善大使を務めた。大竹さんはボルチモア・オリオールズのグラウンドに立ちとても感動したことを生き生きと語り、高校生として充実すぎる2週間がちょっと羨ましいくらいだ。

 川崎には9つの姉妹都市があるがその中でもボルチモアとは濃密な関係にあり、市民交流や商工会議所、スポーツなど多様な交流がなされている。今回も福田市長が団長として向うはずであったが、台風19号襲来の陣頭指揮をとるため、山崎議長が代わって団長となり、ボルチモアのヤング市長と協定書を交わされたとのこと。

 平尾光司会長さん(川崎市国際交流協会)はボルチモアとの派遣交流を通してこのように締めくくられた。「若いときに海外交流を重ね外へ出ていくことは、皆さんの成長にとって、また社会活動のベースとしても大切なことです。ぜひ、日本や川崎を海外に紹介できる人になって欲しいです。」

 また、ボルチモアとジャズとの関係性についても語られた。ボルチモアはニューヨークやニューオリンズと並びアメリカのジャズ中心地のひとつ。ジャズライブハウスがたくさんあり市民にジャズが溶け込んでいる。そのため今回ジャズライブを企画したと。最後に、会長さんがジャズについて熱く語った姿は印象的だった。

 国際交流センターには、様々な国のたくさんの資料や催し物のチラシが置いてあり、音楽や料理など誰でも参加しやすくユニークなものが多いと気づき、私はふと考えた。外国人が多く住む川崎ならば、住みなれた街でも容易に国際交流はできる。来年4月にはここでミュージック・フェスティバルも予定されている。親子で、あるいは孫や祖父母を誘って、催しのついでにでもいい、身近な国際交流の方法について調べたり、もっと国際交流センターを市民が活用していければいいな。そういうことから、日本ボーイスカウト青少年メンバーのように、海外へ積極的に目を向ける高校生が増え、やがて川崎に貢献できる人材育成にも繋がるのではないかと。

※後編に続く⇒こちら

Text:坂井奈々香 (かわさきジャズ公認レポーター)

◎川崎市・ボルチモア市姉妹都市 締結40周年記念ジャズライブ
日時:10月26日(土)15:00〜
会場:川崎市国際交流センターホール
第一部 「ボルチモア」トークショー
出演:
日本ボーイスカウト川崎地区協議会 青少年ボルチモア派遣メンバー
公益財団法人 川崎市国際国流協会 会長 平尾光司(川崎市ボルチモア訪問団)
第二部 JAZZライブ
出演:
ユキ・アリマサ・カルテット
ユキ・アリマサ(ピアノ)、原朋直(トランペット)、マーク・トゥリアン(ベース)、デニス・フレーゼ(ドラムス)
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2019年11月04日

【レポート】10月18日 ジャズアカデミー「奇跡のコラボ!!夢のセッション…かわさきジャズ♪サンタの鈴が鳴る」

 10月18日の【ジャズアカデミー】の講師は、11月15日にラゾーナ川崎プラザソル公演に登場する細川千尋、山下伶、はたけやま裕。かわさきジャズのステージが初共演となる女性アーティスト3名がコンサートを前にミューザ川崎シンフォニーホール市民交流室に集結し、「私のお気に入り 〜 My Favorite JAZZ」をテーマに約2時間の講義を行なった。

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 ジャズ・ピアニストの細川千尋さんは、米・モダン・ジャズの巨匠ビル・エヴァンスの魅力に迫るアルバムを発売したばかり。フランスの印象派に影響を受けているクラシックにはじまり、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調でジャズ・クラシックの良さを知る。日本を代表する作曲家の1人、伊福部昭氏もラヴェルが好きが高じてゴジラの曲を作り、そこで改めてクラシックと向き合ったそう。歴史って繋がっているなぁと実感。また、ドビュッシーの音楽表現は印象派主義音楽と呼ばれ、画家ではモネ、ドガ、セザンヌに共通する表現手法であり、優美なピアノタッチが特徴。

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 クロマチックハーモニカ奏者の山下怜さん。一つの穴で4つの音。クロマチック=半音階。押しボタンがあり、♯♭が出せる。吐いて吸って。自身の物は16穴。ヴァイオリンと同じ音域で、大きさは10分の1。元々、フルートを勉強していて、映画音楽〈ひまわり〉をフルートでリクエストされ初めてクロマチックの動画を見て衝撃を受けたのがきっかけだそう。スティービー・ワンダーのハーモニカ・ソロ曲「Isn't She Lovely?(可愛いアイシャ)」や長渕剛、ゆずの弾き語り。ハーモニカが奏でる歌の魅力あるある。そして…一番は、ヴォーカル的でも管楽器的でもあり、ギターやピアノと違って肉声に近い。ピアノとパーカッションの真ん中での演奏はまさにヴォーカルのよう。

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 そして、パーカッション奏者のはたけやま裕さん。カホーンとはペルー発祥の打楽器で、楽器自体に跨って演奏される木の箱型のもの。コンガのように股に挟んで演奏するそうで、なるほど…裕さんの服装がパンツなのは大きくうなづける。コレは、スカートはムリ!両手両足、しかも、リズムまで全部それぞれの動き。これを一人で演奏。これは見なきゃ損!!

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 最後に…ジャズは譜面も貰わない。リハーサルもしない。初めましての人と本番で演奏することも多い。なるほど〜私もジャズ・ヴォーカル教室に通っていた時、先生に「譜面通りに歌わない!」と言われたことを思い出した。

 3人の美女が織りなすハーモニー♪は必聴必見!夢心地を味わいたい人は11月15日、早めに仕事を終えて、ラゾーナ川崎プラザソル【Colorful JAZZ〜細川千尋×山下伶×はたけやま裕】に参戦しましょう!

Text:金井まち子(かわさきジャズ公認レポーター)


◎イベント概要
【かわさきジャズ2019 ジャズアカデミー】
日時:10月18日(金)13:30〜15:30
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール 市民交流室
テーマ:私のお気に入り 〜 My Favorite JAZZ
講師:細川千尋(ピアニスト)、山下伶(クロマチックハーモニカ奏者)、はたけやま裕(パーカッション奏者)

◎公演情報
かわさきジャズ2019
【Colorful JAZZ〜細川千尋×山下伶×はたけやま裕】
日時:11月15日(金)19時開演
会場:ラゾーナ川崎プラザソル
詳細はこちら
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2019年11月03日

【レポート】10月26日ジャズクルーズ「京浜工場地帯の夜景と美しいサックスに魅了されたジャズクルーズ」

 10月26日、船上でジャズの演奏を聴きながら京浜工場地帯の夜景を満喫する、川崎市観光協会×かわさきジャズのコラボレーション企画、ジャズクルーズに参加した。この日は、全4回の日程のうちの最終日で、台風で順延となった10月13日の代替日。根本造船所の入口で受付を済ませて乗船を待つ間、雨が降ってこないだろうかと夜空を見上げながら、これから始まる楽しい時間にワクワクドキドキ。

 船に乗りこみ、階段を上がって船上に出る。ベンチに座るとほどなくクルーズがスタート。両岸には、非常灯を灯した工場が立ち並ぶ。羽田空港が近いこともあり、航空灯をつけた飛行機がときおり夜空をゆっくりと横切っていく。ゆったりとした波の揺れと少し肌寒い風が心地よい。

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 ジャズの演奏が始まるまでの間、ガイド役の坂本氏が大師運河、京浜運河、田辺運河などを経由してクルーズすることや、JERA東扇島火力発電所、東亜石油京浜製油所など工場夜景の見どころとなる建物を紹介。運河の入口で船が出入りする時の信号として点灯している「K」は川崎の「K」で、日本では川崎でしか使われていないなど、あまり知られていない情報が紹介されると、あちこちから「へえ〜」「ほお〜」と声があがった。

 クルーズのガイドが終わると、いよいよジャズの演奏。この日のアーティストは、jajaのメンバー、秋山幸男(サックス)、市村浩(ベースギター)、高島基博(ドラムス)と、ゲストメンバーの木村カエ(ピアノ)。jajaは2004年にホリプロからデビューし、毎年各地のジャズフェスティバルに出演するなど、幅広く活躍しているジャズバンドだ。

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 前半の1曲目は、「こもれ日」。秋山のすーっと柔らかく伸びていくサックスのメロディが、ゆったりとした船の揺れやほほをなでるような風の雰囲気にぴったりくる。合間のトークでは、「川崎の人は美女が多い」とサービス精神も忘れない。

 続く2曲目は「レディ」。ゴジラのように強い女性をイメージした曲と紹介したが、そのメロディはたおやかでやさしく、包み込むような温かさを持った女性のよう。「先日横浜でライブをしたときは、女子大生ばかりで緊張したけど、今日は緊張しませんね」と、秋山の軽妙なトークが続く。情緒的でしっとりしたサックスの音色と、ぶっちゃけトークとのギャップがおもしろい。

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 3曲目は「情熱の川崎」。軽快なリズムに、思わず足や手、からだ全体でリズムを取ってしまう。隣にいた男性も、足で楽しそうにリズムを刻んでいた。そして、「人の愛を大事にしよう」というメッセージを込めて、TVアニメ『ドラゴンボール』に出てくるピッコロ大魔王の名言を紹介したあと、ラストに「フレンズ」を演奏。人の心にグッとくる大きな愛にあふれた曲が終わると、観客から歓声があがった。

 休憩中は、再びガイド役の坂本氏が登場。JFEスチール東日本製鉄所やJR東日本川崎火力発電所など、夜景の見どころを紹介したあと、後半のステージへ。ベースギターの市村が作曲したという1曲目の「アンダルシアの風」は、スペインの青い空と乾いた風を連想させるようなさわやかな曲。続いて演奏したスローテンポの「ドリーム」は、大きな夢へのあこがれがと希望を感じさせる。

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 気が強い川崎の女性をイメージしたという3曲目の「川崎デスペラード」は、力強い曲調。偶然にもこの曲が始まると、船が前後左右に強く揺れはじめた。まるで演奏に呼応するかのように、大きな波に抵抗しながらググッと力強く進む船の勢いを感じた。

 誰でも知っている曲が聴きたいと休憩中にリクエストされたのに応え、4曲目に入る前に、秋山が「アンパンマンのテーマ」をひと吹き。終わりの音をマイナーコードにアレンジするという意外な終わり方に、みんな大爆笑。どこまでもサービス精神を忘れない秋山だ。

 ラストは、この時間が永遠に続くようにという願いをこめて、TVアニメ『デビルマン』のエンディング曲「今日もどこかでデビルマン」の一節を紹介したあと、「フォーエバー」を演奏。やさしいピアノのイントロから始まるスローバラードは、静かに語りかけるような中に秘めた情熱が隠された曲だ。

 演奏が終わると、「ブラボー!」の歓声とともに大きな拍手が送られた。終演後はjajaのCDを買って秋山にサインをもらう人や、来年1月に行われるコンサートのチラシを興味深く手にとる人の姿も見られた。

 心地よい風と船の揺れを感じながら、夜の闇に幻想的に浮かびあがる工場夜景と、どこまでも伸びていく美しいサックスの響き、そして軽妙なトークに引き込まれ、あっという間の2時間だった。

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Text:河本美和子(かわさきジャズ公認レポーター)

◎公演概要
【工場夜景ジャズクルーズ】
日時:2019年10月26日(土)19時開演
会場:フロンティアルーツ(船上)
出演:jaja&木村カエ(ピアノ)
posted by kawasakijazz at 16:17| Comment(0) | レポート