かわさきジャズ 公式ブログ

2020年11月08日

10月31日 公募スペシャルライブ@生田緑地ばら苑 レポート

 暑いくらいの秋晴れの中、川崎生田にある「ばら苑」にてジャズのライブが始まった。

 1バンド目は「HAMADARA」。バイオリンとキーボードのデュオ。ハローウィンらしい楽しい衣装でライブスタート。スタンダードなポップスやジャズが、鍵盤と弦の音色として澄んだ空気へ溶け込んでいくのが心地良い。最後は「ルパン」で盛り上がり最高潮のなか締めくくった。



 2バンド目に登場したのはオカリナとピアノのデュオ「hana」。陽差しが強くなってきたのも、これが屋外の良さ・自身を晴れ女であると自己紹介、ポジティブなMCに好感。優しい音色で軽快なリズムのブラジル音楽、ジャズ、オリジナルまでを2つのオカリナを持ち替えながらの演奏には惹き付けられるものがある。



 3バンド目はバンジョーとウッドベースとトランペットのトリオ「フジラギ」。1920年代のラグタイムやトラディショナルなジャズを中心にアレンジした曲を、踊ってしまいたくなるテンポで演奏。あまり古い曲だと知っている人が少ないかも、なんて心配は無用。それに加え3人とも演奏技術が高い。衣装もレトロなファッションで揃えてあり、耳にも目にも楽しい時間となった。



 4バンド目はピアノとテナーサックスのデュオ「Ryu's session」。スタンダードナンバーをピアノとテナーサックスの2人で掛け合うコール&レスポンス。これぞセッションというものを見せてくれた。黒本を見ながら演奏する姿は真剣ではあるが、アイコンタクトをし合う表情は楽しそう。ばら苑にあるステージに立っていることを絵画の中での演奏のようだとロマンチックなMCにも心を打たれた。



 5バンド目の「Hana」はボーカル(キーボード)・ウッドベース・アルトサックス・キーボード・ドラムによる年齢層がバラバラの5人組バンド。Hanaはボーカルの名前である。綺麗で可愛らしい顔立ちを裏切ることのない、透明感のある声とはこのことであると感じた。現在中学2年生であり、夢は歌手とのこと。今回は自身のピアノの講師である男性をゲストとして加えたという。それもあってか、アットホームな雰囲気で安心して楽しめた。



5組すべて聴き終えたが、時間的には物足りない感じがする。
それは、やはり全体を通して飽きることなく楽しめたことの証であることに違いはないだろう。

コロナ禍で場所も時間も縮小されてしまったが、とても充実した一日となって。
新しい日常を…と促されているなか、個々が楽しめる・みんなが楽しめる、様々なMusic Daysに今後も期待したい。そう、そんな日常も悪くはないなと。

(TEXT:福場 紗代 / かわさきジャズ公認レポーター)

◎イベント情報
かわさきジャズ2020
「公募スペシャルライブ」
日時:2020年10月31日(土)11時〜
会場:生田緑地ばら苑(多摩区)

タイムスケジュール:
11:00〜11:20 HAMADARA
11:40〜12:00 hana
12:20〜12:40 フジラギ
13:00〜13:20 Ryu's session
13:40〜14:00 Hana
posted by kawasakijazz at 15:01| Comment(0) | 日記

【ジャズアカデミー 】「ジャズとフュージョンの歴史〜ディメンションの視点から」信頼関係が垣間見える爆笑トークと洗練された演奏は安定感抜群


 「かわさきジャズ2020」の公演がより楽しめるようにとミューザ川崎市民交流室で開催される、プレイベント「ジャズアカデミー」(全4回)。10月23日に開かれた3回目の講義テーマは「ジャズとフュージョンの歴史〜ディメンションの視点から」。2人組フュージョンバンド「ディメンション」の増崎孝司(ギター)と勝田一樹(サックス)が講師になり、参加者約30人を軽妙なトークと演奏で沸かせた。

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「ライブなんてできるわけがない」と言われたデビュー当時

 トークは1992年のデビュー当時に遡る。
 最初は2人と、今年の2月に脱退したキーボードの小野塚晃の3人のグループだった。フュージョンの先輩バンドであるカシオペアやT-SQUAREがフル編成であることに対し、メロディー楽器のみで、ドラム、ベースといったリズム隊を置かなかったため、多くのミュージシャンや音楽ライターに違和感を持たれたという。「『そんなのでライブができるわけがない』『なんでリズム隊がいないの』ってよく言われたよね。前例がないものを打ち破ってやろうと思っていたんですけれど。年に初めてのライブを六本木ピットイン(2004年閉店)でやったら、ものすごい人が来て、今なら消防法違反。それ以降、雑誌にも随分、良く書いて頂けるようになりました」と穏やかに振り返った。

 印象に残っているアーティストに話題が及ぶと、共演したドラマー、ポール・ワーティコ、ライオネル・コーデューのほか、ニューヨークで出会った敏腕エンジニアを挙げ「あの人はすごかった。『どんな距離感がいいんだ?』って聞いてきて。自分たちの音楽があんなにマンハッタンに似合うようになるとは」。

 流れるような会話の合間にも「六本木がすっかり変っちゃった。よく飲んで帰ったなあ」「PCR検査を3回やって毎回陰性」とジョークでメリハリを利かせ、前半の最後は、代表曲ともいえる、2枚目のアルバムに収録されている『アー・ユー・ゴナ・ウィン?』で締めくくった。

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「仲の悪いアーティストは」の質問に…

 後半はジャズとの出会いから。「(サックス奏者の)渡辺貞夫さんから。メディアにすごく出ていたから」と勝田が言うと、「草刈正雄さんとCMに出てたでしょ。資生堂かな。子供の頃に見たときに、兄弟かと思った」と増崎はおとぼけ発言。「(渡辺の)『オレンジ・エクスプレス』は格好いいんです、ジャケットが」「サックスを始めたのは高校の吹奏楽部に入ってから。背が高かったから(一回り大きい)バリトンサックスになったんだけれど、渡辺さんが吹いているサックスと違うと半年くらい気付かなかった。プロが持つと小さく見えるのかなー、なんて思っていて」(勝田)に会場がドッと沸く。増崎はジャズとの出会いを「兄が洋楽が好きだったから」と明かした。その会話の途中でも、勝田はデイヴィッド・サンボーンの、割れたような音色を再現、増崎はさまざまな音色を響かせ参加者を唸らせた。

 その後、休憩時間に集まった参加者からの質問の紙に目を通しながら丁寧に答えてゆく。「中学時代はサッカー部。ブラバンは常に座っていてサボれそうだと思って入部した」「フュージョンブームの勢いが失いつつある時代に活動していたが、はやっているかどうかは全く気にしなかった」「ラジオ番組に出演したら『随分長いイントロですね』と言われた」「学生時代はデーモン小暮さんと一緒にやっていたの。同い年だから10万58歳」「共演したいのはピアニストのチック・コリア」「仲の悪いアーティスト? 言えるわけない(笑)。誰とでも仲良いんですよ」とユーモアを交え、参加者を爆笑させた。コロナ禍で配信した2回のライブについては「お客さん無しの本気のライブ。熱量を出さなきゃいけないのは疲れました」と苦労を吐露する一幕も。

 来年は「(サックスの)本田(雅人)君も入れてやろう!」と最後まで明るく楽しく話し、最新の31枚目のアルバムから『ソウル・ジャム』を演奏し終了。テンポの良いトークと洗練された迫力ある演奏に拍手はいつまでも鳴りやまなかった。

 常に勝田がリードする形で会話が進んだ。所々で笑わせながら、2時間(途中、休憩あり)を、少しも飽きさせず、参加者の気持ちをそらさない進行はミュージシャンと思えないほど。対する増崎も、リラックスした雰囲気で的確に応じ、笑わせる。

 長年培ってきた二人の信頼関係が垣間見える、全てにおいて安定感抜群の2時間だった。

(Text:Nanami T / かわさきジャズ公認レポーター)


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◎かわさきジャズ2020 ジャズアカデミー 第3回
「ジャズとフュージョンの歴史〜ディメンションの視点から」
日時:2020年10月23日(金)13時半〜15時半
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール 市民交流室
講師:増崎孝司(g)、勝田一樹(a sax)

◎公演情報
かわさきジャズ2020
「則竹裕之フュージョン・スペシャル」
日時:2020年11月10日(火)開演 19:00(開場18:30)
会場:ラゾーナ川崎プラザソル
チケット:全席自由席 4,000円【全席SOLD OUT】
出演:増崎孝司(g)、 勝田一樹(a sax)、則竹裕之(ds)、安部潤(key) 、田中晋吾(b)
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◎DIMENSION Official Website
http://dimension-tokyo.jp/
posted by kawasakijazz at 14:01| Comment(0) | レポート2020