かわさきジャズ 公式ブログ

2020年11月10日

【ジャズアカデミー】リズムとジャズ〜歴史に名を残す二人のパーカッショニストの魅力

 はたけやま裕(per)、Keiko(p)が講師としてジャズを中心に音楽の楽しみ方をレクチャーするジャズアカデミー 第4回「リズムとジャズ」が10月30日に開催された。

 ジャズとリズムについて、コンガを始めとするさまざまな楽器の演奏を交えながらの説明、ライブは、会場全体が音楽の多幸感に包まれ、忘れられない一日となった中、改めて振り返ってみたいと思う。

 秋晴れの風が気持ち良い昼下がり、会場内にはジャズ、楽器、なによりアーティストを愛する老若男女の方々が席に待ちわびていた。13時半になり、「ジャズアカデミー4回目、本年度の最終回となります。」の紹介とともに、はたけやま裕(per)が登場。はたけやまが相棒と称するKeiko(p)と温かい拍手で迎えられた。

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 今回のジャズとリズムに関して、ラテンジャズとフュージョンジャズを取り上げる。ラテンジャズは、ブラジル系のジャズ、キューバ系のジャズがあり、実際に一番演奏されているボサノバを二人で心地良いリズムの演奏で分かりやすく聴かせてくれる。一方、キューバ系のジャズは、疾走感のあるコンガとボンゴが大活躍し、跳ねないリズムを説明してくれた。

 そして、講座のメインとなるラテンジャズとフュージョンジャズ界で活躍し、名盤にも多数参加、歴史に名を残す二人のパーカッショニストを紹介してくれる。受講している方々も真剣に頷き、メモを取りながら聞いていたり、自然と引き込まれる。

 まず、一人目はアイアート・モレイラ。参加しているアルバム、はたけやまが世界観にハマったというマイルス・デイヴィス「ビッチェズ・ブリュー」を始め、スクリーンと一緒に解説してくれる。はたけやまが「パーカッションって、リズムを刻むだけがお仕事じゃないんですよね。空間を彩るこういった〜」とウィンドチャイムなどを鳴らし、効果音をレクチャー。その効果音を彩る曲を流したり、大物アーティストのレコーディング秘話を聞けたりと会場全体が楽しんでいた。

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 また、生演奏でチック・コリアの名曲「ラ・フェスタ」をペルーの楽器、カホンをフィーチャリングして丁寧な音色の説明とともにフラメンコの雰囲気に包まれた。はたけやまのカホンと右足に付けて鳴らしている鈴とKeikoの左手のピアノ伴奏と右手で弾くピアニカが印象的で、2人の奏でる一体感に大きな拍手が送られた。その後、「Tombo in 7/4」のイントロを聴きながらの4分の7拍子のクイズや4分の4拍子の「サンバ・デ・ジャネイロ」のサッカーの応援などでよく耳にする曲を聴きながら、サンバホイッスルの解説をしてくれた。

 前半戦の最後は、アイアート・モレイラの名曲「MISTURADA」と「Tombo in 7/4」サビのサンバの部分をミックスさせた曲を情熱的なサウンドの演奏に思わず身を乗り出して踊りたくなってしまう。

 後半戦も期待の拍手で迎えられ、二人目のコンガ奏者、モンゴ・サンタマリアの紹介とともに大きい方がコンガ、小さい方はボンゴと実際にたたき、分かりやすく説明してくれる。また、ラテンの花形ティンバレスの楽器の解説も今回は、会場にはないがコンガと一緒に演奏している曲をじっくり聴かせてくれた。

 そして、モンゴ・サンタマリア自身のアルバム「アフロブルー」は、はたけやまが大好きで自身のアルバムでアレンジして入れており、さらに相棒Keikoとともにライブ盤でレコーディングしているこの曲は、アフリカのポリリズムを使った最初のジャズスタンダードで、実際にリズムを鳴らしレクチャーし、受講する方々も理解が深まる様子であった。また、変わった感じのアフリカ民族打楽器、アサラトという、けん玉を鳴らしているように見える楽器も「種も仕掛けもございません」と実演し、笑いが起きる一幕もあり終始、和やかムード。さらに、アレンジした「アフロブルー」の生演奏がブルージーで酔いしれる。オーディエンスからも大きな拍手が送られた。

 その後、「ウォーターメロン・マン」をハービー・ハンコック作曲のものと、モンゴ・サンタマリアのカバー曲とを聴き比べたり、はたけやまの基本的なセッティングを教えてくれたりと二人のパーカッショニストを学べる有意義な時間だった。

 そして、最後に落語好きな、はたけやまが出囃子をジャズでアレンジした二曲の原曲を聴かせてくれつつ披露してくれた。一曲目は、「ぎっちょんちょん」をアラブっぽくアレンジし、彼女の手にかかれば魔法のようだ。ジャズの懐の深さを感じつつ、会場からはダブルの拍手。ジャズと落語の楽しみ方は似ているという。二曲目は、桂枝雀師匠の出囃子「昼まま」を4ビートにアレンジし、スタイリッシュになっていて、途中で拍手も巻き起こり、スウィングしたくなる格好良い演奏だった。

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 アンコールの拍手も鳴り止まない中、「ウォーターメロン・マン」で打ち合わせなしの当日の雰囲気でのライブは、会場全体が手拍子とともに最高潮に達した。講座ではあるが、ずっとジャズの曲を聴いているかのような素敵な二時間だった。今年から、この苦しい状況の中だからこそ、より音楽・ジャズの素晴らしさに触れ、大切に感じられた一日だった。今月の11日のかわさきジャズ【Colorful JAZZ vol.2】も、とても楽しみである。

(Text:Chisato / かわさきジャズ公認レポーター)

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◎かわさきジャズ2020 ジャズアカデミー 第4回
「リズムとジャズ」
日時:2020年10月30日(金)13時半〜15時半
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール 市民交流室
講師:はたけやま裕(per)、Keiko(p)
posted by kawasakijazz at 23:54| Comment(0) | レポート2020