かわさきジャズ 公式ブログ

2020年11月23日

【ライブレポート】11/10「多文化救済LIVE Air GOCIAA:)vol.3」@クラブチッタ

地域の団体や行政と連携し、川崎駅近くにあるCLUB CITTA'でイベントが行われた。
異国のさまざまな音楽で川崎に住む外国人と交流もできるビッグイベントだ。

MC、進行を務めるNIKKIE(ニッキー)。大洪水のあったベトナムや、ロックダウン中のインドの話なども含めてイベントの趣旨を解説した。「ゴッチャ!」の掛け声で最初のステージが始まった。

ロシア人形のような衣装で登場した、4人の女性がロシア民謡を踊る。微笑ましくも好調なスタートだ。

続いてファイナルファンタジーのSEで登場したのは男女4組の子供達。男女ペアで社交ダンスのような衣装に、ソロにはアクロバットなダンス、可愛らしさとのギャップが大きい。

BGMにジャジーなアレンジの「Sing Sing Sing」が流れるなか、MCが挟まれる。体がノってきたところで、アマビエ音頭が始まった。アマビエに扮した格好で踊り、絵描き歌まで披露するパフォーマンスは会場の子供達に大ウケ。

興奮が冷めやらない中、騒がしい音楽が流れ始めると、お次はよさこいの「ソーラン節」。派手なハッピと桃色のカツラで見た目も賑やかに盛り上がった。

「ここからは癒やしの時間」という進行と同時に、会場の照明は暗転。
キーボードの弾き語りでしっとりと始まり、その後、歌い手が登場。ステージの広さは2人には広すぎると感じたが、パワフルな声と音色がステージライトとリンクして鳥肌が立つ。まさに癒やしの時間を味わうことができた。

転換後、照明が様変わりしステージに現れたのは、なんとアニメ「鬼滅の刃」の様々な登場キャラクターのコスプレをした10人の子どもたち。本格的なコスプレと色とりどりの扇子でよさこいダンスを見せてくれた。子どもはもちろん、大人にも大ウケ。「アニメは日本の宝」と、まさに納得のMCで、異文化交流の場にとても相応しいと感じた。

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またまた雰囲気がガラッと変わり、6人の天女が登場。ひらひら舞う孔雀のような扇子と、最後は銅鑼の音とドラゴンのフォーメーションで終演。

今度は、急に現代に戻された感覚になったRAP劇。眩い光とクラブ仕様のライティングは、ここが「HIP-HOPの聖地」とも称されるCLUB CITTA’であることを思い出させてくれた。主に川崎南部を題材にしたラップを、4人の若者男子が生い立ちや社会問題についてダウのニュアンスとも感じとれるグルーヴで披露した。

転換時BGMにはATSUSHIがカバーしたオフコースの名曲「言葉にできない」が流れる。これらにもPAの真剣さとセンスの良さが感じられ、自然と体が揺らされる。

そうこうしているうちに、また雰囲気も場所も時代も変わり、語りが始まった。昔々、川崎に存在していた大酒豪の実話を、プロフェッショナルな語り手と、琵琶の音色と、唄で演出。とてもテンポ良く耳に体に入ってくる。物語にのめり込んでしまう空気を作り出されていて圧巻だった。

その後は、現代風のバンド、異国のバンドが続々と登場。
今日本で流行っている曲や、外国で注目されているダンスなどを披露する時間。
惜しくも来日できなかったバンドは映像での出演となった。

これまで、異文化・異年代のパフォーマンスを凝縮して一日で味わったのは初めてであった。慌ただしく数々のパフォーマンスが始まり、そして終わり、と繰り返し見ていると、“忙しく騒がしい”現実と離れ、あえて“忙しく騒がしい”ライブに足を運ぶのも良いと感じた。

同じ「言葉」でも毛色も意味も違う。タイムスリップして、ワープして戻ってきて、、、と、そんな異例な体験ができた。音楽も文化ではあるが、「垣根」のない文化であることを世界に広げる一歩となるイベントであった。

(Text by 福場 紗代 / かわさきジャズ公認レポーター)
(Photo by Nanami T / かわさきジャズ公認レポーター)

◎公演情報
DIVERSITY ART CONNECTION 多文化救済LIVE
Air GOCIAA:) vol.3 〜世界へ配信えらいこっちゃ!〜
Collaborate with Kawasaki Jazz 2020
日時:11月10日(火)19:00 開演
会場:クラブチッタ
posted by kawasakijazz at 13:42| Comment(0) | レポート2020
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